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コンサルタントコラム
③事業承継 税制の特例措置について~税制の改正前後の違いとは~

③事業承継 税制の特例措置について~税制の改正前後の違いとは~

2019年07月18日

1. はじめに

事業承継問題は企業経営において非常に大きな問題になっていますが、この事業承継問題を少しでも解消するために、事業承継税制の特例措置が行われています。

平成30年度の税制改正では、平成30年4月1日~平成35年3月31日までの5年以内に、特例承継計画を提出することにより、10年以内に実際に承継を行う者を対象として、事業承継の際の贈与税・相続税の納税が猶予されることになりました。

2. 改正前後の違い

2-1. 改正前

○納税猶予の対象になる株式数には2/3の上限があり、相続税の猶予割合は80%。後継者は事業承継時に多額の贈与税・相続税を納税することがある。
○税制の対象となるのは、一人の先代経営者から一人の後継者へ贈与・相続される場合のみ。
○後継者が自主廃業や売却を行う際、経営環境の変化により株価が下落した場合でも、承継時の株価を基に贈与・相続税が課税されるため、過大な税負担が生じうる。
○税制の適用後、5年間で平均8割以上の雇用を維持できなければ猶予打切り。人手不足の中、雇用要件は中小企業にとって大きな負担。

2-2. 改正後

○対象株式数の上限を撤廃し全株式を適用可能に。また、納税猶予割合も100%に拡大することで、承継時の税負担ゼロに。
○親族外を含む複数の株主から、代表者である後継者(最大3人)への承継も対象に。中小企業経営の実状に合わせた、多様な事業承継を支援。
○売却額や廃業時の評価額を基に納税額を計算し、承継時の株価を基に計算された納税額との差額を減免。経営環境の変化による将来の不安を軽減。
○5年間で平均8割以上の雇用要件を未達成の場合でも、猶予を継続可能に(経営悪化等が理由の場合、認定支援機関の指導助言が必要)。

出所:中小企業庁 「平成30年度事業承継税制の改正の概要」

この改正により、事業承継を進める中でネックになっていた、後継者の負担が大きく軽減されることになりました。

「そろそろ事業承継を考えなければ・・・」とお悩みになられているようでしたら、この税制改正をきっかけに事業承継を真剣に考える良いタイミングです。

3. まとめ

この税制改正を適応するためには、特例承継計画の策定が必要になりますが、特例承継計画の策定には、経営革新等支援機関(認定支援機関)による指導を受ける必要がありますので、まずは経営革新等支援機関にご相談されることをお勧めします。

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