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事業承継における4つの要素と7つの視点
④知的資産チェック

④知的資産チェック

知的資産と聞くと、一体何のことなのか?と思われる社長もいらっしゃるかもしれません。しかし、事業承継においては、有形資産と同様に、知的資産の承継も非常に重要なポイントになります。

知的資産の代表例では、例えば、自社の経営理念や自社の独自のノウハウやブランドがあります。経営理念と聞くと、企業経営をしていく上で当たり前のことと考えられるかもしれませんが、経営理念は会社ごとに異なることが多く、社長の想いや価値観が反映された、自社の判断軸となっていることが少なくありません。

また、自社独自のノウハウは他社との差別化を図る要素の一つになっていることが多いかと思いますが、他社では真似できないものなのですから、自社でしっかりとノウハウの承継をすることができなければ、会社の競争力も失うことになることにもなりかねません。

事業承継における知的資産においてポイントになるのは、これまで暗黙知になってきたことを形式知化していくことです。日本の文化的要素でもありますが、多くの日本企業では、徒弟制度を代表するように、見て盗む、見て覚えるといった知的資産の伝承がこれまで行われてきました。しかし、現代のように多様な価値観が混在する時代においては、見て盗む、見て覚えるというような、他人任せの伝承制度では、決して自社の知的資産をスムーズに承継することはできません。

最近では、熟練した職人の持つノウハウを形式知化するために、職人のノウハウを動画撮影し、マニュアル化を進められるようなケースもあります。

もし、自社で暗黙知化しているものがあれば、形式知化し、事業承継をスムーズに進めるための準備を行っていく必要があります。

また、暗黙知は社長の知識のみならず、社員の知識も棚卸ししていく必要がありますので、知的資産の棚卸しを進める際には、社長だけで考えるのではなく、経営幹部や場合によっては、現場の社員とも一緒に棚卸しをし、次代の経営者がスムーズに事業を承継するための準備を行うことをお勧めします。