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事業承継における4つの要素と7つの視点
③資産の状況(資本政策、財務状況、許認可など)

③資産の状況(資本政策、財務状況、許認可など)

企業が安定して継続していくためには、当然ながら財務状況が盤石である必要があります。財務状況の評価基準は業種において様々ございますが、次世代に事業を継承し、事業を継続していくために必要なポイントは次の3点になります。

  • 自社株式の評価と保有状況の把握
  • 資産・負債の評価と管理体制の把握
  • 業務上必要な許認可が継承可能かどうかの把握

なぜこれらの評価が必要なのでしょうか?実はこれらの評価によって、事業を次世代の経営陣が運営していくにあたり、想定しえないリスクや費用の発生を顕在化させ、事前に対処しておく必要があるからです。

企業によっては、稀に後継者に事業を引き継いだ途端、会社が大きく傾いてしまったと伺う事がありますが、これはなにも後継者の能力や外部環境の変化だけではなく、「自社の実態把握をしていないために起こってしまったリスク」である可能性があります。

経営者の皆様は自社株の評価を決算のたびに顧問税理士の先生に依頼されていますでしょうか?

例えば、ご親族に後継者がいて、株式を引き継ぐとしましょう。その際、株式を贈与もしくは相続で後継者に引き継ぐのが一般的と思われます。株式を承継する時点での自社株の評価額に応じて、贈与税または相続税が発生します。細かく言えば、会社規模や業種によっても自社株式の評価額が変わることがあります。

まずは、“誰に”、“いつ”、“いくら株式を継承するのか”を構想し、どの程度の税額が発生するのかを抑えておく必要があります。これを相続発生時に急いで行う事になった場合、納税資金の準備に困るケースや、適切な準備が出来ておらず余分な納税をするケースも少なくありません。

加えて株主が分散している場合、議決権を行使できるように、後継者に株式を集約する必要があります。この場合、株式を時価評価額で買い取る必要があるのですが、簡単に株式を集約できることが少なく、株主間での話し合いに時間を要することが多いです。

また、自社株を評価するにあたり、会社の資産・負債も時価評価します。貸借対照表の資産の金額がそのまま時価となることは少なく、所有不動産の時価評価や不良在庫、滞留売掛金など細かく確認することで、本来の資産状況を把握しておくことは次世代の経営陣にとって非常に重要です。

一方、負債についても実態の把握は極めて重要です。金融機関からの借入金の担保設定、保証人、金利について改めて検証することや、決算書に記載のない借金が実は見つかるケース、業務委託契約時の預かり保証金が計上されていないケースなど、いわゆる簿外負債が見つかることがあります。時価評価をして初めて会社の財務状況が良好か判断できるわけです。

の許認可ですが、意外と見落としが多く、承継ができないというものが多くあります。業務上必要な許認可が承継できないとなると会社の死活問題に繋がるわけですので、この点においても事前の調査は必要となります。特に、許認可が現在のオーナーに帰属しているもので、後継者への承継に時間のかかるものや、業種によって別会社で現在の事業を引き継ぐ際に認められないものには注意が必要です。

皆様の会社の財務状況の実態は把握されていますでしょうか?また、株式を継承する事前準備はできていますでしょうか?企業の状況を網羅的に把握することが、確実に事業を引き継ぐために必要不可欠です。まずは、自社の資産の状況がどのような状況なのか、客観的に把握してみましょう。